7/100 地域に希望あり

 この本では実際に行われている事業を取り上げていたので,自分が町おこしをする立場だったらという視点で読んで,現場ではどのような取り組みが行われていてどのようなことに悩んでいるかを知ることができ,今後に生かせると思う事が多かったです.

 都会から田舎に行く人は中途半端な田舎に行きたいのではなく,ド田舎に行き,自分たちで食べる野菜を自分たちで作りたいというニーズがあるというのを改めてこの本を読み感じました.そして山間部に住む人たちは専業農家というのは耕地面積の問題から現実的ではないと思わざる負えません.したがって半農半Xのような職業体系が移住者のニーズとしても,収入としても理想的なのではと考えさせられました.そしてXの部分にまめな掃除を必要とする小水力発電の管理などは向いていると書いてあり,なるほどと思いました.どちらか一方では仕事として成り立たないが二つ合わせれば仕事になる.この発想は山間部で生計を立てていくとしてら持っていた方がいいと思いました.

 漁業で初期投資の大きい事業を始める際,グループを作り法人化して事業に当たるケースは最初の参入障壁を低くしてくれる効果があり,そういったサービスを打ち出せれば移住者を増やすことはできるかもしれないと思いました.

 商店街の復興の例として挙げられていた香川県高松市では,土地の利用権と所有権の分離に成功していました.こうすることにより日本の町に圧倒的に欠けている都市計画を立てることができ,町の復興の原動力とすることができていました.利用権を一つにするために用いられた手法として,一度貸した土地は永遠に帰ってこないと言われていた旧来の方法ではなく,借りられる期間に縛りを設け,貸す側のハードルを下げていました.また,始めにある地域を集中的に開発し,そこで小さな成功を収めることにより,他地域への広がりを促進させるということも行っていました.都市計画を実行するための実践的なプロセスとしてとても参考になりました.