28/100 「かがみの孤城」

 この本は友達に紹介してもらった本です.久々の小説で夜の九時から読み始めて,朝の二時まで読んでしまいました.

 「かがみの孤城」は学生の社会の仕組み,というか構造をうまく描けていました.誰が一番偉くて,誰が一番下なのか,決まっていないようではっきり決まっている世界を大人からの視点ではなくまさに当事者の学生の視点から書いていました.

 僕が一番共感したのが,主人公のこころが学校にいけない理由のところです.「おなかが痛くなってしまう.昨日までは何ともなかったのに.」僕にもとても当てはまる経験があります.また,家にいると眠り過ぎてしまうというのにも共感しました.これは不登校の人に共通する特徴だったのでしょうか?作者の辻村深月さんがどのようにこれを書いたのかとても興味が湧きました.また,お母さんとこころの関係の描写もとても胸が痛くなってしまうシーンばかりでした.特にお母さんが作ってくれたお弁当をかがみの孤城の中で食べているときに,こころがこのお弁当は学校に行くためにお母さんが作ってくれたのに...と書かれたシーンでは僕も母のお弁当を家で食べていた時のことを思い出し,母に申し訳ない気持ちになりました.

 今の大学生活は高校までのある意味閉鎖的で歪んだ学校の中の生活ではなく,自由で好きなことをやれる毎日なので楽しく過ごせています.しかし,一時期は高校もやめて大学もいかないと思っていた時期もありました.そんな時を支えてくれた母と父にこの本を通してさらに感謝の念を感じました.今度実家に帰った時は肩もみくらいはしなければならないかな?と思いました.


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